日本の核燃料廃棄物の処理はどうするんだ!-日本原子力研究開発機構-

2014/8/22(金)

 日本原子力研究開発機構幌延深層研究センター(北海道幌延町)を視察させていただきました。


地下350mにて

 いわゆる核のゴミと言われる高濃度の汚染物質・・例えば原子力発電に使った使用済み核燃料棒などは世界中の研究者の間で、今後十万年程度安全に保管するにはどうすればいいのかが研究されてきました。

これまで、世界各国の処分のもっとも標準的な考えは
①安定した地層の中で(地下水も少なく、活断層もない花崗岩質の地層)
②その岩盤に地下400メートル程度の埋設穴を確保する地層処分が一般的な方法とされていました。

現に、フィンランドのオンカロの地層処分場では、ほぼ一枚岩の花崗岩が数キロにわたって安定した状態で存在し、地下400メートルまで斜穴が掘られ、4千億円をかけて現在存在する原発3基分の処分場の建設が行われていました。

 この地は10万年かかって氷河期に移行すると言われており、地下水もほとんどなく日本で見られるまさに花崗岩の巨大な岩盤をくり抜いていました。
 
 小泉純一郎元総理が、この処分場を見て、「この施設は日本ではできない」と言って、「俺は総理時代にこんなことをしなくてはいけないと思ってはいなかった。」とこれまで原発推進の立場から、原発反対論者の立場へ変わっていったといわれるオンカロの施設です。

 現在、日本には低線量汚染被ばく物質は青森県六ヶ所村の処分場に大量に蓄積されています。
低線量であるために、密集し表土を少し削った程度の穴の中に今後埋没される予定ですが、ここも次第に手狭になっていました。

 私は日本には、オンカロの施設のような安定した地層はなく、特に地下水の流失がひどく、トンネル内の機材の腐食も激しく、とても安定した状態を保てるとは思えませんでした。

 この幌延の施設は、地下350メートルまで掘り、地層処分場をどのように造ればいいかという実験場であります。
ここで得られた技術で、安定した地層(地下水の流失が少ない地層)を国内に求め、将来、幌延で得られた技術を生かし処分場を造ろうという目的です。


ゆめ地創館にて

日本原子力研究開発機構
〒319-1184 茨城県那珂郡東海村村松4番地49 
TEL:029-282-1122

幌延深地層研究センター
〒098-3224 北海道天塩郡幌延町北進432番地2  
TEL :(代表)01632-5-2022 FAX :01632-5-2033

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