政権交代から一年半、声高にうたっていた民主党のマニフェストは、もはや詐欺やペテンの代名詞ともなった感があり、マニフェストを死語にさせた責任は大と言わざるを得ません。
その中には
「私達に任せれば、こども手当て2万6千円を毎月差し上げます!」
「高速道路もすべて無料化します!」
「年金も一人7万円毎月保証し、複雑な年金制度も一本化を図ります!」
「だから是非政権を任せてください。お願いします!」 とうたっており、
行政見直しにより16兆8千億の財源を捻出すると言っていたのに、わずか数千億円の捻出に留まるのみ・・・。
事業仕分けは一体何処までやれたのか? どの程度のことが改革できたのか?国民の誰も知りえない状態に陥っています。蓮舫行政刷新大臣が各省庁の大臣に対してクレームをつける様子に至っては、もはや政党の呈をなしているとは言えません。
なぜなら、予算は十分な議論の末に閣議に提出され、政府が決めるもので、その決定に対して公の場で行政刷新大臣がクレームをつけるのは犬も食わない夫婦喧嘩の茶番劇を見せられているに過ぎません。国民にとって甚だ迷惑至極なことです。
これらの問題を国民やマスコミに知らせたいのならば、政務調査会や総務会の議論をオープンにし、予算を決める前に十分な議論の場を担保するべきで、何もわざわざ費用をかけて特別な部屋を用意したり、時間をかけたりする必要はありません。それこそまさに無駄なことをしていると思います。
政党には政務調査会など、立法を議論し、予算を審議する場所が確保されています。
(小沢さんはこれをやらずに全てを幹事長室に一元化し、権力の掌握を図った)
そういった機会を十分に利用する事が議員にとって研鑽の場となり、国民の声を吸い上げることにつながります。
多くの専門家の意見を聞き、世界のトップクラスの企業の提案を政策として取り入れていく、これは、政党としての重要な役回りのひとつなのです。
私も1年生議員ではありましたが、科学技術創造立国推進議連のメンバーとして、再生医療の推進、特許ハイウェイ構想の具体化、医療を新産業として育成していくことなど、多くの事に対して取り組んできました。その結果カネミ油症特例法案や臓器移植法改正法案の共同提案者として名を連ねさせて頂ける事になりました。また議席を失ってからも、党本部へ出かけて行き、死因究明推進法を提出する事ができました(写真)
物事は、不断の努力や理論と先見性がないと完成していきません。
自民党内では、これらの議論が当たり前のように成されていました。
1年生議員でも専門性を買われて議論による喧嘩をしたものです。
ただ、あまりに専門家集団が議論をリードし政策を推し進めた結果、「族議員」なる批判を受けるに至りました。これは大いに反省すべき点です。
しかし民主党は、こども手当ての2万6千円が満額支給された場合の5兆4千億円の財源についても、日本の防衛予算の4兆7千億円を超える膨大な金額であること、基礎年金を6万6千円から7万円に引き上げた場合に、わずか4千円でも約3千万人に支給した場合に年間1兆5000億円以上の財源が新たに必要になることなど、自民党の1年生議員でも実現困難とわかるような事柄を、いとも簡単に「出来る」と大嘘を言い続け、しいては管総理がこれらの問題に対して「マニフェストどおりには出来ない」と認めたことは、一国の総理として、党としての議論をしていなかったと断ぜざるを得ません。
なぜ「見直しにより16兆数千億円の無駄が出る」など、虚構妄言が出るようになったか。
これが私の民主党に対する最大の疑問なのです。政党としての綱領もなく、問題を深く議論した形跡もないグループに対する「不審の念」を抱く最大の理由なのです。
つまり政党としての「いろは」、(体制)が整っていないことが露呈されたことになり、この政権がやっていることは場当たり的で、なんらしっかりとした意思決定機関がない中で、政権が漂泊している状態であります。
無責任で実現性のない政策は、多くの国民を欺き、志のある政治家が改革を断念せざるを得ない事態に陥ることになりました。これは「日本政治史上消し去ることの出来ない汚点」と言わざるを得ません。このままビジョンの全くない民主党政権に国政を任せていれば、日本は取り返しのつかない窮地に陥っていく事は前総理の鳩山さんの現在の行動から見ても明らかです。政局よりも政策、国会議員はねじれ国会の中でも政策を進めていく事はできます。
以上述べた事が、私が菅内閣に一刻も早く退陣して頂き、総選挙で民意を問うべきだと考える理由です。その後は集団指導体制をとるような政界再編による国政の安定化へと進むべきだと考えます。
菅政権の命運は既に尽きています。
現在の日本政治の危機を救うためにどのような方策が考えられるのか。
国民の皆さん、マスコミの皆さんにも私たちと一緒になって、もう一度真剣に考えて頂きたいと思います。
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