2021/7/3(土)
「議員立法に関する軌跡」
皆様より初めて国会に送っていただきましたのは、平成17年(2005年)9月の衆議院選挙でした。国会活動4期、約12年間において様々な分野の議員連盟に携わり、私は主に医療や科学技術の分野で議員立法を提出し、成立させて参りました。それが一覧表に示したものであります。
1期目には、まず「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案」(私の出身である長崎大学第二外科が主に携わる分野です)を平成18年3月に成立させました。次いで「カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律案」を成立させ被害者の方々の救済へと繋ぎ、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の一部を改正する法律案」を成立させ被爆体験者支援対策を行うなど、思い出深い法律を次々と議員立法として成立させる事ができました。
私の提出法案の中でも「再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案」と、後に成立する閣法2法案(安全確保法、薬事法の改正法案)とを合わせた再生医療3法案。これらの法案により、いわゆる条件付き早期承認制度の道が開かれることになりました。再生医療製品が他に代わる治療手段として存在しない場合には、条件付きで早期の製品使用が可能となったわけであります。これは当時、世界中から懐疑の目をもって見られ「再生医療製品公害を引き起こすのではないか」とサイエンス誌などの批判を浴びました。しかし、現在ではアメリカもこの制度に同調する動きをみせており、再生医療分野のみにならず医療機器や薬剤にまでこの制度が広がってきております。この制度の広がりはやはり薬害公害などへの危惧もありますが、今回この早期承認制度によりコロナ禍におけるファイザー社ワクチンの早期使用が実現できたことは、大変感慨深いものがあります。
他にも、「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案」を成立させ、医療機器の輸出などにより私が主張する科学技術立国を進めるためのベースが整いました。そして、今回のオリンピック・パラリンピックにも繋がる、ロシアに見られたドーピング問題を阻止するための「スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律案」や「スポーツ基本法の一部を改正する法律案」など、多種多彩な法案の成立について一覧表に示す活動を行って参りました。
また2年前の、ハンセン病(らい病)に関する「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けたものに対する一時金の支給等に関する法律案」は、厚生労働委員長として提出し成立させた思い出深い法案であります。
気がかりで残念なのは、今国会で成立させるべく最後の最後まで粘った「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案」の成立が果たせなかったことであります。
以上、心残りな部分もありますが、多くの法案の成立を成し遂げられました。それも、これまで私を支えていただいた多くの方々の温かいご支援の賜物だと、改めて深く、深く感謝申し上げます。
議員バッヂを外すとはいえ、自分で立ち上げた議員連盟はまだ6本ほど活動中であります。①航空機基本法(小型の超音速旅客機。日本の特許技術を使い日本主体で作る。)、②水族館の機能の維持及び向上に関する法律(街なか開発のために水族館を活用する。)、③IMAT(Infection Medical Assistance Team:感染症派遣チーム)設立法案など、退任するとはいえ、これからも引き続き今度の衆議院選挙の公募で選ばれた後任者と一緒になって、時には自民党本部にも出かけていき、やり残した議員立法成立に向けて取り組んで参りたいと思っております。今後とも宜しくお願い申し上げます。
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