新年あけましておめでとうございます。
私も、2005年の9月11日に皆様のご支援の下、国政へ送っていただいてから早3回目の新春を迎えることとなりました。
この間、医師不足対策、肝炎対策及び被爆者対策など、医療問題を中心として精力的に取組んで参りました。
おかげさまで、カネミ油症問題では、「カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律案」を成立させ、原爆被爆者対策では、まず在外被爆者に対する対策として「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の一部を改正する法律案」を提出するまでに至りました。
これらの活動ができたのも、皆様のご教授とご支援の賜物と、心より感謝申し上げます。
今後も、現場から多くの事を教えていただきながら、迷走する医療介護問題や地域の活性化対策を中心に取組んで参りたいと思っております。よろしくお願いいたします。
さて、2006年11月21日、京都大学の山中伸弥教授らの研究の中で、「ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞:Induced pluripotent stem cell)の樹立に成功」というニュースが駆け巡りました。
iPS細胞の開発は、世界レベルでの競争が展開されていましたが、山中教授率いる研究チームが先陣を切ったことになります。
実は、2007年の春に再生医療を推進しようと「自家細胞を用いた再生医療を推進する議員の会」が結成され、自家細胞を用いた研究を推進する活動をしておりました。しかしながら、細胞というのは、薬の範疇になるのか、若しくは、医療機材の範疇に入るのか、などの定義もなされておらず、急速に進むこの分野での法的な取り決めが完成されていませんでした。
そこで、東京女子医科大学の岡野光夫教授や大阪大学第一外科の澤芳樹教授らの要望に応えるべく、ガイドラインの作成を行い、素案の取りまとめにかかりました。
2007年の夏にはようやくガイドラインを提示し、現在130件を越すパブリックコメントを頂いている状況です。
現在までに決まっていることは、細胞を薬として取り扱うことですが、細胞に処理を加えることで生じるリスク(予期せぬ癌化、感染のリスク、品質の安定化に対するリスク、製造設備が比較的小規模なために生じるリスクなど)については引き続き論議しております。以前に比べ役所側もかなり積極的になってきております。
今回、日本が先陣を切ったことにより、アメリカ・ヨーロッパ等が追随してくることは明らかでありますが、これらの競争に勝つことにより、日本に新しい医療産業の育成をもたらすことが期待されます。これは、常々私が申している日本から新しい医療産業を興すテーマとしては、非常にピッタリとしたテーマだと思っております。
私自身も約20年前にアメリカで、膵のラ氏島細胞の培養研究を行い、ラ氏島をバラバラにしたり、線維芽細胞の上で立体構造をとらせようとしましたが、適わなかった経験を思い出します。当時は、機能のよいセルソーターもなく、ラ氏島のなかのα・β・δ細胞の機能分類をするとはできませんでしたが、ラ氏島の中にある幼若で未分化ではありましたが、おそらく多分化能を秘めた細胞があるということには気付いていました。(当時はToti potentialな細胞)その後、体のいたる臓器の中に分化が可能な幹細胞(Multipotent stem cell)があることが知られるようになりましたが、さらにはもっと多機能な細胞(iPS細胞)を皮膚から造れるとすれば、多くの疾患の治療法になることは夢ではありません。
実際、アメリカではある種の血液疾患の治療が行われ、又、日本では大阪大学で特発性心筋症の患者さんの心臓に自身の骨格筋から得られた細胞を用いてシート状に培養した細胞組織を心臓に貼り付け、特発性心筋症の患者さんの心機能を回復させたと報道されております。
現在、私は臓器移植法改正案の成立に向けて、多くの議員より同意を得るべくお願いをして廻っているところですが、もしこれらの治療法が進んでいきますと、心臓のみならず、肝臓や骨髄移植なども、iPS細胞を活用した治療対象に上がってくるものと思われ、今後の再生医療に大いに期待するところです。
他人の血液や臓器を自分の体に入れることは誰でも好ましくないことは知っています。やむを得ずやっていることです。しかし、自分の細胞で自分の体の一部が再生できるのなら、倫理的に考えてもそれ程問題はないと思われます。
現在、日本には人工透析を受けておられる患者さんが約25万人、肝硬変9万人、心筋症4万人、脊髄損傷0.5万人おられます。また、パーキンソン病など難病で苦しんでおられる方も多くおられます。この方々の一部でも再生医療の適用になれば、患者さんたちにとっては素晴らしい福音となることとでしょう。
2008年はネズミの年、年男です。
私たちも将来は再生医療の恩恵に与り、薄くなった頭にも黒々とした頭髪が蘇ってくる日を心待ちにして毎年新しい年を迎えられるようになりたいものです。
本年もよろしくお願い申し上げます。

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