有床診療所を守る!!

今日は、17時から私が事務局を務める「有床診療所の活性化を目指す議員連盟」総会を開催しました。

今回は、日本医師会、全国有床診療所協議会より各県の代表の先生方や有識者の方々にご参集いただき、総会ではなく、総決起集会を思わせる、大変盛大な会となりました。
 有床診療所は、地域医療の崩壊が始まっている現状において、まさに救世主となりうる入院施設を持ち合わせた診療所であり絶対に無くしてはならない施設なのです。
 会の最後には、これまで全13回開催した議連の勉強会の内容を踏まえ、提言書の採択をし、関係者の皆様方から賛同をいただきました。
 また、有識者としてご出席いただいておりました、日経新聞の渡辺俊介 論説委員にも提言書の内容については、大変高く評価していただきました。
 提言書については、舛添厚生労働大臣や関係部局へ申入れを行いたいと思います。

提言書の内容は、下記の通りです。


     
有床診療所の活性化を目指す議員連盟

提言書

有床診療所は、地域に密着した「小規模多機能医療施設」として、比較的高度な医療の提供から高齢者の医療や介護の受け入れ、更には終末期の医療を担って、長い間、地域に欠く事の出来ない医療単位として機能してきた。
 しかしながら、過去20年に亘って極端に抑制されてきた低い入院料が病床の運営を困難にしているという経済的理由とともに、度重なる医療制度改革によって有床診療所の病床体系が複雑で合理性を欠くものとなったことや、政府の病床数削減の基本方針の下に、毎年約1,000の診療所が病床を閉鎖する事態に陥っている。
このままでは、数年後に有床診療所が消滅することも予想され、国民にとっては、地域のかけがえのない入院施設を失うという危機に瀕していると言っても過言ではない。
地域医療の崩壊が叫ばれる昨今、有床診療所は崩壊する地域医療の救世主にもなりうる施設であり、有床診療所の機能を再認識すれば、下記の通りとなる。

・ 急性期医療・専門医療を担って病院の負荷を軽減し地域医療の
崩壊を防ぐ役割

・ 地域病院からの早期退院患者を含めた患者の受け皿となる施設

・ 在宅医療の後方支援として病床活用が可能な施設

・ 終末期医療などのニーズが高まる分野への貢献

・ 離島・僻地では唯一の入院施設等としての基幹的医療施設

上述のとおり、有床診療所が多様な機能を有することは明白であり、これらの事態に対し、緊急且つ確実に事態を解決できるよう、その有用性と利便性の向上を図るため、以下の提言を行うものである。

1 診療所病床の有効活用と明確な位置づけ

病院とは異なり最大19床という小規模な病床にも関わらず、一般病床と療養病床の間で看護配置基準が異なるなど病床の使い勝手が悪い。
在宅医療の後方支援、急性期から慢性期、終末期に至る医療・介護を患者の病態に合わせ、地域のさまざまなニーズに対応できる病床として、細かい規制や基準を設けず、その機能を発揮し地域医療を支えることが可能となる病床のあり方を検討すべきである。また、「病院病床」と「診療所病床」を別の概念で捉え、地域医療を支援する診療所病床として活用するのが望ましい。

2 地域連携の新たな取組の検討

 地域医療の崩壊が国民の不安を募らせる現状において、有床診療所が地域の無床診療所を含めた医療機関とのより積極的な地域連携をとることで、病床の有効利用が可能になると考えられる。有床診療所が地域連携の拠点診療所となり、病院と診療所の連携の強化を図ることや、有床診療所病床を開放型病床として利用すること等も含め、新たな取り組みを検討し、連携を強化すべきである。

3 改正医療法と診療報酬との整合性

有床診療所閉鎖の一因として、病院と有床診療所との入院基本料の格差の拡大、介護施設をはるかに下回る低い入院料が病床の運営を急速に困難にしている。
有床診療所の今後の役割・機能がこれまで以上に重要となることは明確であり、平成22年度の診療報酬改定においては、改正医療法と診療報酬との整合性の観点から、有床診療所の診療報酬について「病院」と「介護施設」の中間程度の評価がなされて然るべきであり、有床診療所に対する診療報酬の在り方を下記のように要望する。

 ・入院基本料の全体的な引き上げ
  一般・療養病床を問わず、あまりにも低い医療費の底上げ。

 ・一般病床入院基本料の逓減制の変更
  急性期の14日までと亜急性期の30日までを重点的に評価する。

 ・現在、2段階の看護配置基準を、4人未満、4人以上7人未満、
  7人以上の3段階に変更し、実態に近い評価に変える。

 ・複数医師配置加算の引き上げ
現行制度では、複数の医師を雇用できない。

 ・入院時医学管理加算の新設
急性期医療提供体制を持つ有床診療所。
など

4 医療計画における病床規制の撤廃

改正医療法により、有床診療所は48時間入院期間制限の撤廃とともに基準病床数の対象となり、特例以外は新規開設が制限されている。地域に必要な小規模な病床は届出のみで開設を認めるべきである。

なお、以上の提言を推進するために、当局より早急に有床診療所に対する総合的・体系的施策等を明らかにされ、すみやかかつ先行的な実施をされるよう、強く要請する。

平成21年6月17日

有床診療所の活性化を目指す議員連盟

会長 山崎 拓

自由民主党・有床診療所の活性化を目指す議員連盟

○ 会長   山崎 拓  
○ 会長代理 木村 義雄 
○ 幹事長  原田 義昭 

○ 相談役  太田 誠一            ○ 相談役 溝手 顕正  <参議院>
○  〃   鈴木 俊一             ○  〃  若林 正俊  <参議院>
○  〃   園田 博之
○  〃   中川 秀直
○  〃   野田 毅
○  〃   二田 孝治
○  〃   保岡 興治

○ 顧問   岸田 文雄             ○ 顧問  西島 英利  <参議院>
○  〃   坂本 剛二             ○  〃  吉村 剛太郎 <参議院>
○  〃   佐藤 剛男             ○  〃  中曽根 弘文 <参議院>
○  〃   塩谷 立             
○  〃   長勢 甚遠
○  〃   林田 彪
○  〃   増原 義剛
○  〃   望月 義夫
○  〃   渡辺 具能

○ 幹事   <衆議院>           ○ 幹事  <衆議院>
○  〃   安次富 修            ○  〃  清水 鴻一郎
○  〃   飯島 夕雁            ○  〃  杉村 太蔵
○  〃   石田 真敏            ○  〃  田村 憲久
○  〃   岩屋 毅              ○  〃  寺田 稔
○  〃   江渡 聡徳            ○  〃  永岡 桂子
○  〃   江藤 拓              ○  〃  長崎 幸太郎
○  〃   加藤 勝信            ○  〃  西川 公也
○  〃   金子 恭之            ○  〃  西銘 恒三郎
○  〃   亀岡 偉民            ○  〃  葉梨 康弘
○  〃   河井 克行            ○  〃  平口 洋
○  〃   川条 志嘉            ○  〃  福岡 資麿
○  〃   岸田 文雄            ○  〃  松島 みどり
○  〃   木原 誠二            ○  〃  御法川 信英
○  〃   木原 稔              ○  〃  宮沢 洋一
○  〃   後藤 茂之            ○  〃  宮下 一郎
○  〃   後藤田 正純           ○  〃  吉野 正芳
○  〃   坂本 哲志            

○ 幹事   <参議院>            ○ 幹事  <参議院>
○  〃   岩城 光英             ○  〃   木村 仁 
○  〃   岡田 直樹             ○  〃   吉田 博美
            
○事務局長 冨岡 勉

敬称略・順不同

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